不動産価格の上昇で、台北では家賃収入の投資利益率がかつての3%から1%程度にまで低下している中、東京では6~7%を確保することができるとあって、台湾からの投資が増えている。業者の統計によると、この半年で60件以上の取引が成立し、総投資額は約10億台湾元に上っている。
こうした日本の不動産への投資ブームを受けて、台湾の不動産仲介業者、旅行業者、ディベロッパーなどがビジネスチャンスの獲得に乗り出している。
そのうち台湾の不動産仲介業トップの信義房屋は20日、東京に支社「信義房屋不動産株式会社」を開設した。また、リースのオリックス、ビル管理の大京グループと提携に調印した。台湾の資金による日本での不動産投資に協力する。
また信義房屋の周俊吉・董事長(会長)は、今後、世界各国が台湾を中国進出の拠点とすることになるはずで、このため日本の店舗を開設することで日本の資金の中国への導入に協力したいと語った。
20日の開幕式には、オリックスの宮内義彦・会長、大京の山口陽・社長などが出席した。新会社の資本金は8000万日本円。信義房屋の100%子会社。1号店は新宿駅南口の近くに開設された。初期には日本側パートナーが物件を提供し、信義房屋が買い手を探す。また、大京が近く発売するマンション「高輪台」を、信義房屋が代理販売する。
台北の不動産価格は2003年から上昇を続けており、台北市大安区を例に挙げると、20坪の新竹マンションで相場が1470万台湾元、家賃が月額2万5000台湾元であるため、投資利益率は年間わずか2%程度。
これに対して東京ではバブル崩壊後の20年に及ぶ景気低迷で、マンションの平均単価は台北市の中心部より安くなっている。高級住宅地である品川の20坪のマンションは相場が約1400万台湾元、家賃月額6万台湾元、投資利益率は5%以上に達する。
今年10月に台北・松山空港と東京・羽田空港の間に直行便が就航し、双方の都心への移動時間が大幅に短縮されるため、今後、東京の不動産への投資に興味を持つ台湾人は増えるとみられている。
信義房屋不動産株式会社の林彦宏・社長によると、今年に入って成約件数は16件、総額2億2000万台湾元に上っている。1件当たりの平均成約額は1180万台湾元。室内使用面積は約20坪。投資利益率は5~7%。買い手は自営業者、企業主、公務員退職者などが多い。1億日本円の物件を購入した企業主もいるという。
信義房屋では、台湾で2000万台湾元(約5488万日本円)以上の物件を購入したことがある人を対象にアンケートを行ったところ、54.6%が日本の不動産に投資価値があると答えた。
また観光業者では、日本での物件視察のためのツアーが増えている。そのうち東京房屋網の廖恵萍・行銷総監によると、今年初めに北海道への不動産視察ツアーを引き受けた。北海道で土地を購入して民宿を建てるのが参加者の目的。それをきっかけに、同社は日本への不動産視察ツアーを企画するようになり、これまでに100以上のツアーを引き受けている。
東京でワンルームマンションを購入して賃貸に出せば、家賃の5%を管理費として支払い、また購入の仲介費用として購入価格の5%を支払うだけで簡単に家主になれると指摘している。
東京の高級住宅市場が台湾の資産家から注目されていることから、ディベロッパーの新光国際開発は昨年、日本の西武グループと提携して軽井沢に土地を購入し、別荘として売り出している。
同社の李依蓉・業務課長によると、これまで1件が売れており、今年も引き続き販売促進を行っている。
<不動産投資比較>
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項目 |
台北 |
東京 |
上海 |
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1戸当たり平均成約額 |
1719万台湾元 |
1563万台湾元 |
1897万台湾元 |
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家賃収入での投資利益率 |
築10年の中古物件で約3%、一部の新築物件は1% |
築10年の中古物件で6~7%、一部の築10問以上の物件は8~10%。 |
住宅2%、商店3% |
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自宅所有率 |
88% |
48.7% |
49% |
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価格計算方式 |
主体、付属建物、公共部分を別々に計算(新築で公共部分は約30%) |
室内面積のみを計算。付属建物、公共部分、ベランダは計算に入れない |
建築物の壁の内側のすべての面積を計算。突起物は計算に入れない |
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1世帯当たりの人数 |
約2.69人 |
約2.67人 |
約2.66人 |
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1世帯当たりの平均年収 |
147万台湾元 |
300万台湾元 |
50万台湾元 |
注1:比較のためすべて台湾元に換算
注2:家賃収入での投資利益率には、メンテナンス費用、管理費、税金などを含まない。
資料:信義房屋 <2010.07.21 経A21、蘋果A16>